今日現在、本邦法務大臣は、当分の間、73の国・地域に滞在歴がある外国人等について、
特段の事情がない限り、
出入国管理及び難民認定法第5条第1項第14号に該当するもの(=法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者)
として、上陸を拒否することとしています。
つまり、原則として、4月3日付でアナウンス済の73の国・地域に滞在歴がある外国人の上陸は拒否するが、例外として、「特段の事情」があれば、上陸を許可できる(「許可することとする」に非ず)ということは、既にお伝えしたとおりです。
そして、本邦法務省は本年2月から、
“新型コロナウィルス感染防止に係る上陸審査の状況(速報値)”の公表を続けており、今の時点で、2月、3月、4月の各月分が公表されています。
4月2日までの上陸拒否の対象地域数は、24の国・地域。翌3日午前0時以降、その対象地域は、49増加し、現時点に至るまで73の国・地域まで拡大されています。
上陸拒否対象の国・地域が24だった4月2日の速報値では、
上陸拒否の対象者数:27
上陸不許可処分の件数:3
上陸申請の取り下げ件数:0
上陸許可処分の件数:24
となっているのに対し、上陸拒否対象の国・地域が73まで拡大された後の4月3日の速報値では、
上陸拒否の対象者数:549
上陸不許可処分の件数:35
上陸申請の取り下げ件数:136
上陸許可処分の件数:378
となっています。
3日以降も、新型コロナウィルス感染拡大が続く73の国・地域から来日する人に対する上陸許可件数は「高値安定」傾向が続いているのは、公表値から読み取れます。
そして、
10日以降、「日本は4月だけで3000人以上の中国人を特別入国させていた」というタイトルの動画等、大手マスコミ以外から、この現状に対し広く問題提起がなされた(参考:4月3日以降の14日間の東京都と札幌市の感染者数の推移)あとの、今月14日付で、
“新型コロナウィルス感染症に関する上陸拒否の措置及び同措置に関する「特段の事情」について”
という全6項目からなる報道発表資料を公開しています。
ここまでです。
「現状、73の国・地域を上陸拒否対象地域とする。ただし、「特段の事情」があれば、その限りではない」。
つまり、「特段の事情」があれば、73の国・地域から来日しても、上陸を許可することもあり得る、ということです。
この「特段の事情」について、14日付の上記「報道発表資料」で言及されています。
現「速報値」の中で、「特別の事情」の例として、
1. 国際線の航空機の運航のために必要な乗員(クルー)で、航空機の乗り継ぎ等のために短期間滞在し、宿泊施設で過ごす者
2. 令和2年4月2日までに再入国許可により出国した「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」又は「定住者」の在留資格を有する者
が挙げられています。
これに対し、「報道発表資料」の第4項目では、
「特段の事情が認められ上陸を許可した人」の数は4月1日〜12日で、3,541人。
このうちの7割以上(つまり、約2,478人)が、上記1の「乗員」、
残り3割弱(つまり、約1,062人)が、上記2の在留資格を有する者、
となっていますが、
上記2につき、表現が追加され(以下で太字の部分)、
令和2年4月2日までに再入国の許可(みなし再入国許可を含む。)により出国した「永住者」、「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」又は「定住者」の在留資格を有する外国人(これらの在留資格を有さない日本人の配偶者又は日本人の子を含む。)
や
個別の特異な事情がある外国人等
とされています。
さて、これらの文言をどう解釈するか?