昨年末に在札幌ロシア連邦総領事に就任したセルゲイ・マーリン氏のインタビューを、ロシア国営ノーヴォスチ通信が配信しています。

配信は全4回。

1回目のテーマは、ロ日平和条約

2回目のテーマは、ロ日地域・姉妹都市交流年

3回目のテーマは、査証(ビザ)発給体制

最後のテーマは、ロ日関協力の展望

最初に、1回目のテーマであるロ日平和条約(ロシアの国家公務員である故、「日ロ平和条約」とは言わない)関係について紹介します。

今回のインタビューは昨年12月19日の就任を期に収録されたものだと思われます。

年間協議回数は二国史上最多

マーリン総領事によりますと、一昨年だけで、日本とロシアは80回余りの首脳級・高官級協議を重ねており、これは、帝政時代・ソ連時代・新生ロシア時代を通じて、年間の協議実施回数としては最多であるとのこと。

「こんなに膝を突き合わせているのに、アガリが少ない」?

ただし、

協議は重ねたが、どんな成果があった?経済面を例に、

「色んな国がロシアに投資してるけど、投資額全体のうち、日本の対ロ投資はどうよ?全体の3%にも満たないんだぜ。もっと投資してくれたら、ロシアの極東地域やシベリアの開発も加速するし、大体、ロシア人も日本人も懐が潤うってもんだ」

(実際、マーリン総領事がこのような話し方をしているわけではありませんが、骨子は上記の通りです)。

と数字を織り交ぜつつ、協議結果につき満足とは程遠い評価をされております。「協議回数は最多」との枕詞は、この評価への布石だったのですね。

日本版「平和条約」?

本題の「平和条約」について。協議の内容である平和条約締結をはじめとする日ロ関係促進につき日本が協議を進める理由として、「自国領土の不満解消に尽きる。他のことにはさして関心がない」ことを挙げております。

そもそも、「平和条約」の認識について、

確かに、「戦後75年が経とうとしているのに、両国間で平和条約が未締結なのはおかしい」という点では、両国は認識を共有。

しかし、「平和条約」の認識について、そもそも両国間で相当な温度差があると指摘されています。

両国の交戦状態は1956年の日ソ共同宣言で終止符が打たれた(だから、現在外交関係がある)というのが、ロシアの認識。だから、「平和条約を締結して、交戦状態に終止符を」という日本の認識は珍奇であるということです。

ロシアが考える「平和条約」とは?

では、相手方が考える「平和条約」とは?

ひとことでいえば、「包括的」な条約。条約名に、「平和」に加え、「協力」、「支援」、「互恵」などのワードを含むものが想定されます。政治経済などのテクニカル系のみならず、文化交流やスポーツ交流などのアーツ系までも内包するものだそうです。

「そうはいっても協議は継続され、良い方向に向かうでしょう」。

流石に、何をもって「良い方向(=楽観)」なのかは注視したいところですね。

 

以上です。

 

平和条約ひとつをとっても、様々な意見があるとは思いますが、在札ロシア総領事のことば(=ロシア外務省の公式見解)を回避することなく、ひとつの「現実」としてとらえていただければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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