外国人が本邦に上陸する際の型を整理しておきます。

視点は2つ。

1. 上陸予定の外国人の所持する旅券が査証免除国のものか否か?

2. 取得を予定する在留資格が短期滞在が否か?

外国人の所持する旅券が査証免除国のものであるかは、こちらで確認できます。

A.「査証免除国+短期滞在」パターン

旅券が査証免除国のもので、取得予定の在留資格が親族・知人訪問や観光目的の「短期滞在」の場合、出入国港で入国審査官に対し、上陸許可申請さえすれば、特段何もする必要はありません。大多数の日本人が海外旅行に出かけるイメージです。

B.「査証免除国以外+短期滞在」パターン

次に、旅券が査証免除国以外のもので、「短期滞在」の場合。

ロシアがまさに「査証免除国以外の国」なのですが、国際交流や日本人が現地で結婚した配偶者を招聘する(後者の場合、入国後、在留資格の変更を申請)などの場面が想定されます。

このパターンで、”主戦場"となるのは、現地の在外公館(日本国大使館や日本国総領事館)に対する「査証発給申請」となります。

申請するのは外国人本人となりますが、日本にいる招聘者や身元保証人は査証発給に必要となる各種書類を準備・作成する必要があります。

もちろん、状況によっては、申請拒否、つまり、査証が発給されない可能性もあります。

査証発給申請が不許可となった場合、通常、6ヶ月間は同一目的での査証発給申請は受理してもらえなくなるので、注意が必要です。

当職も行政書士となる以前から長きにわたって手掛けてきたものですが(本来通訳者が行う業務ではないのですが)、地方自治体でも申請の遅延や申請形式の不備などの理由で、不許可となった例があることを付言しておきます(ましてや、個人で招聘する場合、より細心の注意をもって臨まなければなりません)。

C.「査証免除国+短期滞在以外」パターン

査証免除国とはいっても、免除されるのは観光などを目的とした「短期滞在査証」が免除されるということなので、就労等の目的で中長期間、日本に滞在する場合、予定する在留資格に応じた査証を受ける必要があります。

このパターンで"主戦場"となるのは、出入国在留管理庁に対する「在留資格証明書」交付申請となります。交付を受けた在留資格証明書(日本から現地の本人に送達しなければなりません)を外国人本人が現地の日本国在外公館に出向き、査証申請をすることになります。

この場合、日本国内で「在留資格証明書」交付申請が拒否される可能性もありますし、仮に「在留資格証明書」が日本国内で交付され、外国人本人が同証明書を手に現地の日本国の在外公館で査証申請を行っても、査証が交付されない可能性もなしではありません。

在留資格証明書の有効期間は交付日から3ヶ月間。この間に査証を受け入国しなければ在留資格証明書は失効し、"ふりだし"からのやり直しということになります(査証受領に失敗した場合の、6ヶ月間の申請不受理期間を考えると、「査証受理失敗=一からやり直し」となってしまいますので注意が必要です。

D.「査証免除国以外+短期滞在以外」パターン

上記Cパターンに同じ。

 

以上です。

 

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