上陸拒否対象地域からの上陸:「特段の事情」でも触れたとおり、法務省が示す「特段の事情」の例示として、入管法16条にある航空機の乗員(クルー)が含まれていました。同条にある「乗員」とは航空機の乗員のみならず船舶の乗員でもあります。
この「特段の事情」には、船舶乗組員の上陸も含まれているのでしょうか?
この件につき、道内港湾にロシア船籍船舶(乗員全員の国籍もロシア)の入港があった今月8日、札幌出入国在留管理局出張所に直接問い合わせてみました。
回答は以下のとおり。
上陸拒否対象地域の船舶乗員は、「特段の事情」の対象外ではない。
しかし、
船舶には、航空機と異なり、乗員の居住区画が備えられている(航空機の乗員に比べ上陸の必要性が高くない)。
実務上、上陸拒否措置導入後、入港・接壁した船舶の側から上陸申請がなされていない。
よって、
「速報値」には、船舶乗員の上陸に係る申請及び申請に対する許可・拒否の結果は反映されていない。
とのことです。
また、
出張所管轄外の港湾への外国船舶乗員の出入国に関しては、
回答する権限を持っていない
とのことでした。
ただ、
措置は、上陸拒否対象地域からの船舶に一様に適用されるものなのか?
旅客船・貨物船の区分や、出発港・経由港・仕出港等による区分の有無は?
実際に船舶側から(行政指導の有無にかかわらず)上陸申請があった場合の対応は?
緊急入港などのケースでの対応は?
等等の点に関し、現時点で統一的な国の回答が用意されていない可能性も除外できないため、今後の対応を待たざるを得ない部分もあるかと思います。
また、
今回の問い合わせ中、
のことは敢えて話題にしなかったことを付言しておきます。
以上です。